顧問先経理担当者や職員からよくある質問
「買掛金」「未払金」「未払費用」 この3つはどう違うのですか?
私の15年以上前の財務諸表論受験時の知識でいつも下記のように答えていました。
買掛金:原価項目の請求額
未払金:原価項目以外の販管費の請求額
未払費用:締め後から期末までの債務が未確定の費用の集計額
今回職員から、「給与の計算の場合、うちではいつも科目は未払費用になっていますが、月末締めの場合も未払費用ですか?」と。
・・・確かに。あまり疑問にも思わず、給与は未払費用に計上しており、月末締めの所も同様に処理をしていました。
会計システムの管理上、未払費用は口座別管理、未払金は取引先別管理、を採用していることもあり、
全企業統一で、給与は未払費用にしていました。
企業会計原則 注解5 には下記の通り示してあります。
(3) 未払費用
未払費用は、一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、すでに提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないものをいう。従って、このような役務に対する対価は、時間の経過に伴いすでに当期の費用として発生しているものであるから、これを当期の損益計算に計上するとともに貸借対照表の負債の部に計上しなければならない。また、未払費用は、かかる役務提供契約以外の契約等による未払金とは区別しなければならない。
分解して解読していきます。
①一定の契約に従い
納品又はサービスの提供の都度、請求及び支払をするのではなく、締め日を設けて、一定期間継続して(通常は1月単位)行う取引。
月末締めの場合は問題ないが、15日締め、20日締め、25日締めの場合を想定している。
②すでに提供された役務に対していまだその対価の支払いが終わらないものをいう。
例えば20日締めの場合で、21日から期末までの期間は、役務の提供を受けているが、請求額が確定していない。
③これを当期の損益計算~負債の部に計上しなければならない。
これを「未払費用」と言う。
と言う事で、給料についても同様であり、20日締め翌月5日払い分は「未払金」。21日から期末までに係る給与については、「未払費用」と言うことになります。
しかし、弊所は月次決算を正確に組んでおり、システムの管理上、給与を未払金として計上することは、不都合が生じるため、給与は未払費用として計上することとします。
その代わり、科目内訳明細書の作成の際、備考欄に「3月分給与(債務確定分)」と表示する旨、指示を出しました。
税務署及び金融機関に対して、会計についても理解していることをアピールするためです。
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